海外ドラマではないのであしからず
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なんっか・・・
なんっかかゆい・・・
顎がかゆい・・・
あごがかゆい。
あれ、もしかして顎がしゃくれてきたとか?
いや、まさかね。
え?あれ?
アーーーーーーーーッ!
顎がしゃくr
れてないですけどね。いつも通りですけどね。
今日は無性に顎がかゆい黙木です。
突然ですが、スペの次世代のちょっとした文章を載せたいと思います。
苦手な方は開けないでパンドラ。
前作?の続き?というかその(何年か)後です。
その前作?は6月15日の追記に書いてます。
・・・6月って、そんなに前だったのか。。。
もし万が一興味をお持ちの方があればどうぞ。
「でさー、“ハ”の一文字だけだと呼びにくいし、もっと良い名前ないかなーって考えたんだ」
友人であるダイとコラッタを見て、これ見よがしに顔をしかめてやった。
「それで“マエバ”にしたのか」
「うん。マエバの方が音が良いよな」
ダイには似ず控えめな性格のコラッタ―――マエバは照れたように頷いた。
「ネーミングセンス以前の問題だな」
シアンが鼻で笑うと、リザードも相槌を打った。
「ま、でもお前が最初コラッタ連れてきた時はちょっとびっくりしたな」
「なんで?」
リザードを横目で見てから、言う。
「・・・なんつーか、父さんのリザードンや、お前のおやじさんのフシギバナは、図鑑所有者の象徴だからな」
「え?どういうこと?」
ダイがへらっと笑う。
「だから、父さん達図鑑所有者は権威ある人間からポケモン図鑑を託されたろ?」
「うーん」
「権威があるってのは偉いってことだ」
「ああ!シアンのじいちゃんのじいちゃんだろ?」
「違う。俺の父さんのじいさん・・・つまり俺の曾じいさんだ。話を戻すぞ。とにかく、・・・お前のおやじさんは俺
の曾じいさんからポケモン図鑑をもらった時、一緒にフシギダネももらったんだ」
「うん。聞いたことある」
「俺の父さんはヒトカゲを、母さんはゼニガメ。エリィんとこのゴールドさんやクリスタルさんも同じようにポケモンを一体ずつもらってるし、他の図鑑所有者も同じだ。つまり、図鑑所有者ってのは、そりゃ図鑑が一番の象徴なんだが、同じくらい、一緒に預かったポケモンってのは象徴的なんだ。」
「ふーん」
話が終わったとばかりにダイの注意が逸れだしたのがわかる。手に取るようにわかる。
「だから、そういう大事なポケモンを引き継いで、お前もフシギダネとかが最初のポケモンになるんじゃねーかと思ってたんだよ」
半ば意地もあってこの話題の元であるダイの疑問に答えると、ダイはきょとんとした顔でこちらを見た。
「シアンは、ショーチョーテキなポケモンだから、友達になったのか?」
「はぁ?」
ダイに他意はない。純粋に不思議に思って尋ねているというのは、その表情からよくわかった。そしてこういうヤツだというのは、よくよくわかっていた。
父から譲り受けたリザードを見やる。出会った頃はヒトカゲだった。シアンの最初のポケモン。
平常を装っているのか、何の話かわかっていないのか、知りようもないが。いつもの様子でシアンを見返してくる。
「・・・別に」
確かに、ねだったのは自分だった。
「単純に、俺の周りにいるヤツらの中で一番かっけえと思ったからな」
リザードがにやりとしたように見えた。
実際、父から譲り受けた後だった。その、ポケモン図鑑と一緒に、の件を聞いたのは。
そんなポケモンを偶然にも選んだことが、素直に嬉しかった。
だから、ダイが自分のポケモンをもらったと聞いた時、幼馴染でライバルの彼も同じようにフシギダネを隣に連れて、自分達は向き合うものだと期待していたのだろう。
「そうか?そーいやーお前、リザードっぽいなあ」
「あぁ?」
「いや、顔っつーか、雰囲気が。こう、シュッとしてる感じ。」
両手で自分の顔を挟むようにして“シュッと”した様子を表してくるダイが嬉しそうだったので、シアンもこう返してやった。
「お前もマエバっぽいぜ。ここがシュッとしてる感じがな」
前歯を指して“シュッと”してやった。
「まじでー!じゃあオレもひっさつまえばできるよーになっかなー」
ははっと笑うダイに、露骨に顔をしかめた。コラッタのマエバにもまだ覚えさせていない技を、何と呑気な。しかもダイのコラッタはほとんどまだ何も覚えていない状態のままだ。
「てめえみてえなアホとしゃべってるとこっちまでイカレそうだ」
「なんでだよ、一緒にいると似てくるって言うじゃん。でもさ、もしシアンがヒトカゲ、俺がフシギダネだったとしたら・・・ゼニガメは誰だろうな」
「あ?」
「旅立ちのポケモン、最初の三匹・・・ほのお、くさ、みず。だいたいみんな、三匹だろ。」
「・・・」
思ったよりもちゃんと話を理解していたらしいことを感じて、うーん、と考えるダイを見た。
「ヴィルか!」
ダイが唐突に声を上げた。
「シアンがグリーンのおっちゃんからヒトカゲをもらったなら、ブルーさんからもらうのはヴィルだろ」
親から子へ引き継ぐという考えで言っているのだろう。
言われて初めて想像してみたが、確かにそういう考え方がシンプルで王道だ。しかしシアンはつい、両親のことを思い浮かべてしまった。
そしてつい、口にしてしまったのはダイならば絶対に、変に勘ぐらないだろうとわかっていたからだ。
「・・・・・・イヨってのも、ありえるかもしんねーけどな」
案の定ダイはへらっと笑った。
「ええ?かーさんゼニガメもらってないぞ。」
「まあそういう意味ではな・・・。でも、男ばっか三人ってねえだろ?」
「あー・・・確かに。一人は女の人もいるなあ。シアンするどいよ!」
そしてその男女三人の中で一組のカップルが成立する確率が高い。シアンが知っている限り100%だ。
ちょっとした羨望の眼差しを向けられつつも、シアンは平静を装って肩をすくめただけだった。
「でもフッシーっておじいさんみたいだよなあ。何歳か知ってるか?」
マエバがふるふると首を振っている。
目の前で唐突に話題が変わったことにさして驚きもしないシアンはむしろほっとした。
「・・・」
「今度とーさんが帰ってきたらフッシーが何歳か聞いてみよう。マエバ、覚えといてくれよ。オレ忘れちゃうと思うから。」
なんとも無責任なダイに、マエバは自分がしっかりしなければと必要以上に一生懸命頷いていた。
ダイはそんなマエバを見て、それからぼんやり遠くへ思いを馳せるような顔つきをした。
「もしオレがとーさん達みたいに旅立つことになったら・・・・・・・・・」
「あぁ?・・・なんつった?」
「ううん。なんでもない。」
本当になんでもないような顔に戻ったが、先ほどの表情は初めて見るものだった。シアンは聞き出したいという気持ちが募ったが、ダイに一切話す気がないのが見てとれた。
マエバが不意に空を見上げ、ダイをつついた。
「ん?あ、そっか。ししょーんとこ行く時間か。」
「師匠?」
シアンとリザードが怪訝そうな目で見ると、すでに帰ろうとしかけていたダイはけろりとこう言った。
「オレ、今空手ならってるんだ。カラテオウになろうと思ってさ!あとシテンノウとかさ!」
「・・・どうでもいいが、空手の世界に四天王がいるのか、四天王のうちの空手王なのか?」
「え?」
「そうだな。お前にとってもどうでもいい話だな」
シアンとリザードはそっくりな様子で皮肉めいた表情をしてみせた。
「またシアンはわけわかんないこと言うしよー!とにかく、そういうこと。オレ帰るな!」
さっと走り出したダイの身のこなしを見ると、確かに鍛え始めているようだった。自分の二の腕を触りながら思う。負けるのはしゃくだ。目が合うとリザードが肩をすくめた。
「あっ!シアン!」
顔を上げると思ったより遠くでダイが振り返っていた。
「空手のことエリィに言うなよ!」
シアンは苦笑した。ダイの決まり文句の一つだ。エリィには言うな。エリィには内緒だ。隠し通せたことなどただの一度もないくせに。
「自分で技覚える前にマエバに技覚えさせてやったらどうだ。そうしたらエリィも怒らないだろうぜ」
「マエバも一緒に修行中だもんなあ?」
マエバがこくこくと頷いているが、レベルが上がっているようには見えなかった。
「何の修行してんだか・・・」
「とにかく言うなよ!絶対だぞ!」
また駆け出したダイを見送り、シアンも帰路へ着く。
あいつもあいつだが、エリィもよくやるぜ
オレはもう一々怒ったり焦れたりしてらんねーな
もしいつかダイがポケモンバトルを始めたら、その時こそ彼は自分の最大のライバルとして立ちはだかることになるだろう。幼い頃から多くの時間を共に過ごした幼馴染としての、そしてポケモントレーナーとしてのシアンの直感だ。
「俺たちも帰ったら修行だな」
自身の強さのために、来るべき時のために。
リザードは当然だ、という風に頷いた。
「ついでにエリィに電話してやるかな」
シアンとリザードはやはりそっくりな様子でにやりとした。
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